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故郷にて

by 岩瀬敬吾

広島にいると落ち着くんだけど、どこか追い立てられるのは
地元を20年前に出た時の思いと記憶がそうさせるのかもしれない。
今の子はどう解釈するのかわからんが、当時はまだ地元を離れるという事は
捨てると同義の意味をふくんでいた。
僕なんかは地元でとりたてて仲のいい人もおらず故郷を捨てる事にためらいは無かった。
高校一年生の時に退学を親に相談もしたのでそれほど故郷を捨てる事は
ためらいなくなんとも無かった。
ただ一つ、高校二年生から出来た友人が次第に親友になり、音楽を導いてくれ、
それらの出来事はとても悲しく寂しく色んな感情を彼らに教えてもらい、
直ぐに東京に向かわなくても良いのではという感情と、
そしてそれらの出会いにより、人生とはという事を知り始めた頃であった。
色々なところに行き思うのは地元に根ざし故郷を継いだ方々は優しい。
そういった人達によく助けられる。
羨ましく、それは深淵と強さと我慢と諦め、全てを知っている眼差しの、優しさが羨ましく思い
そして尊敬してしまうのである。
僕は仲間を欲さず生きてきた人なのでつるむ事を嫌う。
なんとか1人で生きていけたらといつも思っていた。
まあそれは過去の話だけど。
孤独な人同士で会うとその時傷を舐め合うのでなくそのお互いの強い眼差しを認め合う事で
幸せを感じる事が、まあよくある。
そういう人間は利用される事を取り立て気にしないしまた人を利用しようと思わない。
悪意は忘却の彼方へ葬り去るのである。
幸せはSNSに故意的に簡単にひけらかす事ができるが
形に残らない寂しさを惜しむ思いがあるからこそ幸せを知る。
そんな時の幸せとは、これまた言い表せない。
このツアー中毎日頂いた思いだ。
また明日から頑張る。


岩瀬敬吾
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